『ハルカ』公開『文芸人のフロンティア』第十章 公開

2021年10月29日

『ハルカ』あとがき

聖地巡礼の楽しみが増える。霧島です。
今回は『ハルカ』のあとがきです。

この先、本編の内容への言及があります。未読の方はこちらから。
作品本文への直リンク:
https://slib.net/109182

この作品を書いたのは今年の7月で、ちょうど生産性の低下に悩んでいた頃でした。
その頃の記事で「軽い気持ちで書く」みたいなことを書きましたが、
実際それはあまり成功していません。そして書けたのがこの作品です。

お遍路とか、Youtuberとかいったモチーフはその停滞期に
興味を持っていたものです。特に、アニメ制作会社のufotableが出している
『おへんろ。』というコンテンツに少しはまって、それが直接的に
この作品を書くきっかけになりました。

それにしてもリハビリ的な作品だったので、文体は意識的に軽くしました。
等身大の大学生っぽさが出たような気がします。
テーマも現代の大学生らしく、「自分探し」「変化と成長」にしました。

就活というのは多分、自分の価値を見つけられていない人が
最初に当たる壁なのだと思います。なまじ最近はあまり苦労せずに
四年制大学にも入れてしまう人が増えたために、大学のある時期までは
敷かれたレールの上、思考停止で育つパターンも多いのではないでしょうか。

それで結局、やれ「ガクチカがない」だの「PRすることがない」だのと
就活のそのときになって慌てるのです。その半分くらいは思い込みで、
冷静に自分を見つめなおすことと言葉遊びで解決できるのですが、
中には本当に頑張らずに来てしまった人もいて、何かでっち上げるための
エピソードを作るか、諦めるかしかなくなります。

まあ、私自身は大企業を受ける気が全くなく、就活サイトすら使わなかったので
本当のところはよく知りませんが、最終的には導かれるべきところに
導かれるのではないかと思います。そのくらいの心構えのほうが楽です。
そこから先も努力を続けるのが本当に重要です。

今回は、就活で苦労する可能性を早期発見して、希望を見つけるまでの話です。
ちなみに、ユノさんが最後に手紙に書いていたたとえは、
『ノイラートの船』を参考にしたものです。これ自体は人生論ではなく、
言語や知識に関するたとえですが、誤りがあってもすべてを一度に
刷新することはできないという部分は、そのまま人生にも言えることだと思います。
船のたとえといえば『テセウスの船』のほうが圧倒的に有名ですが、
あちらは構成要素が丸ごと挿げ変わる話なので別物です。

ちなみにタイトルはド直球ですが、以前公開した『ナツミ』とは
関係があるように見えてありません。

この作品を書いてからは『文芸人のフロンティア』の執筆も軌道に乗り、
とりあえず当初の目的であったリハビリは成功しました。
今年も残り二か月、年内にはまた何か新作を書きたく思いますが、
そちらの状況は依然厳しい模様。霧島でした。



kirishimanovel at 00:00│Comments(0)星空文庫作品 

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